階段でキスの高さ調整(想可奈)
拍手SSでした、その3。
題名が直接的だよね。ぼかして書いてもバレバレだってぇの。
個人的に可奈ちゃんの渾身のアッパーでお茶を濁す感が好きな一品。
「これくらいの高さがあればいいのに」
階段を一段残した所で、想はぼそりと呟いた。
「なになに、どうしたの?」
「身長の話です」
階段と踊り場の清掃当番になっていた可奈と想は、談笑しながら手を動かしていた。
想は上から掃き落とし、可奈は踊り場の隅のほうから砂埃を集めていく。
今の身長差は階段一つ分補正されているため、ほんのちょっぴり想の方が高い。
「成長期なんだし、きっとすぐよ、すぐ」
「だといいんですけどねぇ……」
自嘲気味に彼が呟くと、可奈は急に噴出し、堪えきれずにけたけた笑い出した。
「……何笑ってるんですか?」
「だ、だって、燈馬君がそんくらいの高さになった姿って想像できな……っ」
涙を流しながら大笑いする彼女を尻目に、苦々しい気分の想はどうすることもできず。
「地味に傷つきました」
と、言うしかなかった。
……そうか。
近い将来、私の身長を追い越しちゃうのか……
笑いながら、現状の視線の高さを確認する。
見上げる角度。
胸から顔と移す、慣れない視界移動。
意外と肩幅あるんだな、とか普段見てない姿がそこにはあってドキリとする。
今はまだ、すぐ隣に想の頭がある高さだけど、いずれは。
なんだか、寂しい気がする。
ずるい気もする。
取り残される、そんな気分。
笑いも収まり、ようやく可奈は一息つけた。
「いきなりどうしたのさ、身長の話なんて」
「いえ、水原さんを見てて急に、」
想の顔が近づく。
「……今の高さでも十分なんですけどね」
可奈の口元に手をやって上を向かせるとそのまま。
「~~~~~~~~~~~~~~っ!!」
彼女は声にならない叫びを上げる。
「やっぱりこれくらい高さがあったほうが、しやすいです」
「燈馬君のばか~~~~~~~~~~~!!」
ぐぎゃ。
可奈の渾身のアッパーが見事に決まり、想の体は宙を舞った。
05. 階段でキスの高さ調整
恋したくなるお題
http://members2.jcom.home.ne.jp/seiku-hinata/index.html
題名が直接的だよね。ぼかして書いてもバレバレだってぇの。
個人的に可奈ちゃんの渾身のアッパーでお茶を濁す感が好きな一品。
「これくらいの高さがあればいいのに」
階段を一段残した所で、想はぼそりと呟いた。
「なになに、どうしたの?」
「身長の話です」
階段と踊り場の清掃当番になっていた可奈と想は、談笑しながら手を動かしていた。
想は上から掃き落とし、可奈は踊り場の隅のほうから砂埃を集めていく。
今の身長差は階段一つ分補正されているため、ほんのちょっぴり想の方が高い。
「成長期なんだし、きっとすぐよ、すぐ」
「だといいんですけどねぇ……」
自嘲気味に彼が呟くと、可奈は急に噴出し、堪えきれずにけたけた笑い出した。
「……何笑ってるんですか?」
「だ、だって、燈馬君がそんくらいの高さになった姿って想像できな……っ」
涙を流しながら大笑いする彼女を尻目に、苦々しい気分の想はどうすることもできず。
「地味に傷つきました」
と、言うしかなかった。
……そうか。
近い将来、私の身長を追い越しちゃうのか……
笑いながら、現状の視線の高さを確認する。
見上げる角度。
胸から顔と移す、慣れない視界移動。
意外と肩幅あるんだな、とか普段見てない姿がそこにはあってドキリとする。
今はまだ、すぐ隣に想の頭がある高さだけど、いずれは。
なんだか、寂しい気がする。
ずるい気もする。
取り残される、そんな気分。
笑いも収まり、ようやく可奈は一息つけた。
「いきなりどうしたのさ、身長の話なんて」
「いえ、水原さんを見てて急に、」
想の顔が近づく。
「……今の高さでも十分なんですけどね」
可奈の口元に手をやって上を向かせるとそのまま。
「~~~~~~~~~~~~~~っ!!」
彼女は声にならない叫びを上げる。
「やっぱりこれくらい高さがあったほうが、しやすいです」
「燈馬君のばか~~~~~~~~~~~!!」
ぐぎゃ。
可奈の渾身のアッパーが見事に決まり、想の体は宙を舞った。
05. 階段でキスの高さ調整
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