金木犀
先週書いてそのまま放置してたんですが、金木犀の時期が終わっちゃう前にっ(>_<)
金木犀、満開になる前からすごく良い香りですよねぇ。
香りがするときょろきょろしちゃう、不審人物月真ですっ←
『金木犀』
「来る途中でね、金木犀が咲いてたの。もうそんな時期なんだねぇ」
水原さんは嬉しそうに言った。
「だいぶ涼しくなりましたからね」
まだそれなりに日差しは暑いけれど、外気温だけ見ればもうすっかり秋だ。
ずっと暑い暑いと文句を言っていた水原さんからすれば秋の訪れは大歓迎だろうし、花を見つけたり香りを楽しむのは、誰しも悪い気はしないだろう。
水原さんはうっとりと、思い出しながら金木犀の話をする。
「いい香りだったよ。ホラ、ここからすぐの角を曲がった所の……」
そう身体を傾ける彼女の頭に、オレンジ色の小花が付いている。
木を見上げた時に付けたのかその前から乗っていたのかは解らないけれど全く本人は気付かない様子で、身振り手振りを続けている。
僕は、花束を抱きしめるように、水原さんを抱きかかえた。
ふわりと花の香りがするようだ。
今一生懸命教えてくれていた、キンモクセイの香りも、ほんのりと。
急に抱きしめられたせいで、水原さんは驚いたようだった。
何? どうしたの? と若干焦るような声が、耳元で聞こえた。
僕はクスリと笑いながら、手をほんの少し緩めた。
「今度、見てみます。一緒に行けるといいんですが……今はお裾分けを頂きます」
「……何の?」
腕が緩んだ分、水原さんが身体を起こしてこちらを見つめる。
何のことだろう? と不思議そうに見つめる目線の先に、僕は髪の上の小花を摘まんで差し出した。
「水原さんの連れてきた、お土産を」
微かに香る、秋の香り。
まさか、自分が連れてきたとは思わなかったのだろう。
水原さんは一瞬、目を丸く見開いて、そして先程キンモクセイの話をした時と同じように、また幸せそうに微笑んだ。
金木犀、満開になる前からすごく良い香りですよねぇ。
香りがするときょろきょろしちゃう、不審人物月真ですっ←
『金木犀』
「来る途中でね、金木犀が咲いてたの。もうそんな時期なんだねぇ」
水原さんは嬉しそうに言った。
「だいぶ涼しくなりましたからね」
まだそれなりに日差しは暑いけれど、外気温だけ見ればもうすっかり秋だ。
ずっと暑い暑いと文句を言っていた水原さんからすれば秋の訪れは大歓迎だろうし、花を見つけたり香りを楽しむのは、誰しも悪い気はしないだろう。
水原さんはうっとりと、思い出しながら金木犀の話をする。
「いい香りだったよ。ホラ、ここからすぐの角を曲がった所の……」
そう身体を傾ける彼女の頭に、オレンジ色の小花が付いている。
木を見上げた時に付けたのかその前から乗っていたのかは解らないけれど全く本人は気付かない様子で、身振り手振りを続けている。
僕は、花束を抱きしめるように、水原さんを抱きかかえた。
ふわりと花の香りがするようだ。
今一生懸命教えてくれていた、キンモクセイの香りも、ほんのりと。
急に抱きしめられたせいで、水原さんは驚いたようだった。
何? どうしたの? と若干焦るような声が、耳元で聞こえた。
僕はクスリと笑いながら、手をほんの少し緩めた。
「今度、見てみます。一緒に行けるといいんですが……今はお裾分けを頂きます」
「……何の?」
腕が緩んだ分、水原さんが身体を起こしてこちらを見つめる。
何のことだろう? と不思議そうに見つめる目線の先に、僕は髪の上の小花を摘まんで差し出した。
「水原さんの連れてきた、お土産を」
微かに香る、秋の香り。
まさか、自分が連れてきたとは思わなかったのだろう。
水原さんは一瞬、目を丸く見開いて、そして先程キンモクセイの話をした時と同じように、また幸せそうに微笑んだ。
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