忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

拍手(現在3種ランダム)web拍手

可奈ちゃん誕生日!(加筆)


可奈ちゃんお誕生日おめでとう!

 なんかずっと可奈ちゃん4月生まれって認識あったけどどっかででてたかなぁ?と悩みに悩み続けてついこの前、気づきました。
 ドラマ版か!ドラマ版そういや最近見てないや!忘れてた!!って感じで。

 ドラマやってた当時にQEDで二次をやろうとか思って見てなかったのでそういう情報を全然取り入れようという気がありませんでした……
 香坂さんや梅宮さんの下の名前とかね!
 あれだよね、最新刊の衿子ちゃんて梅宮さんのことだよね。

 久しぶりに引っ張り出してみたらまぁまぁこれが面白いのなんのって。
 多分、当時よりもっと楽しんで見てましたwww
 今度、スケッチブック片手に真剣に見直そうとおもいます!

 燈馬君の誕生日はそういや出てきてないよね。
 燈馬君もわかればいいのになぁ。








 「本当にこんなのでいいんですか? 後でやっぱり物がよかったとか言いませんか?」
 「いいの、これで」
 想を長椅子に座らせて可奈はその隣に腰を下ろすと、おもむろにころり、と隣の膝に頭を乗せた。
 ふわり、と長い髪が膝にかかり、頭の重みが腿に伝わる。
 こそばゆい感触と、同時に微かに漂ういい香りに、想はごくり、と思わず唾を飲み込んだ。
 ……どんな顔をすればいいのか解らない。
 平静を装おうと咄嗟に視線を逸らしたが、すぐに下から燈馬くん、と呼ばれ、仕方なしに視線を戻した。
 可奈は嬉しそうな顔でにこにこと笑っている。
 想の気も知らず。
 「もっとごつごつしてるもんだと思ったけど。そんなに固くないんだね」
 女の子なら柔らかいの解るけど意外だなぁ、と言いながら。
 可奈は安定する場所を探りながら体勢を直し、そのまま体を横たえた。
 うん、いい場所が見つかった、とでも言うように、満足げに目を細めるさまを、ため息をつきながら見る。

 どうして、こう無防備で無邪気なんだろうか。
 普通は、付き合っても居ない男女間でこんなことはしないだろう。
 いや、付き合っていたってするかどうか。
 逆なら解るけれど。


 理解できず、困惑したまま、また視線を外す想の顔を可奈は下から仰ぎ見る。  
 普段の視界で見ているのとは全然違う想の姿に、思わず見入ってしまう。
 面白い。
 考え事をするときの些細なくせや、仕草。
 見慣れていても、見る方向が違うと新しい発見がある。
 これは思った以上の収穫があった、と可奈は内心喜んだ。



 誕生日のプレゼントは何がいいんですか?
 と、想に問われ。
 物じゃなくて、燈馬の膝を一日貸してほしい、と可奈は言った。
 膝枕自体が希望ではなく、これは想を動けなくするための手段としての提案だった。
 それが、嬉しい副産物があっただけのこと。


 今日くらいは、燈馬君を独占したい、と思ったんだよ。
 面白い本だとか、海外から来る仕事の依頼とか、関数とかのこととか、そういうのもひっくるめて全部、私がこうしている限り、燈馬君は動けないでしょ?
 諦めて座ったままでいるしかない。 


 我ながらいい案を思いついたものだ、と可奈が再度視線を上げると、困った顔でこちらを見つめる想の顔。
 あんまりにもそれが可愛らしくて、可奈は吹き出しそうなのを必死で堪えた。
 
 「あの、水原さん」
 「何?」
 「それで、僕は……このまま座っていればいいんですか?」

 精一杯、可奈から出来る限り触れている以外の部位は離そうと、背筋も腕も椅子にぴたりと貼り付けている。
 それはどう見ても、リラックスしているとは程遠く。
 ともすれば、緊張のしすぎで体が震えているんじゃないかというくらいで。
 楽しげに横たわる可奈とは正反対だ。

 「そんな緊張しなくていいよ。猫でも膝に乗せてると思えばいいじゃん!」
 「猫……ですか」

 猫というより、迂闊に手を出すと怖いネコ科の別の生き物のような気もするけれど。
 恐る恐る、手を出してみる。
 額に手を当てると、可奈はくすぐったそうに目を閉じる。
 柔らかい髪の感触は、彼女の言うとおりに、愛玩動物のそれに似ていた。
 二度、三度と撫でる度に嬉しそうに鼻で笑う様子を見て、逆に想も、嬉しくなってくる。


 「嬉しいなぁ」
 ぽそりと、可奈が言う。

 「何がですか?」
 「いつも燈馬君って忙しそうにしてるじゃない?こうやって燈馬君を独占できるのって貴重」
 贅沢なプレゼント貰っちゃった、と、可奈はえへへと笑いながら言った。
 「……僕も嬉しいですよ」
 撫で続けていた手が止まり、ふと、閉じた目を開ける。
 想が優しい目をして、可奈を見つめている。
 どきりと、胸が大きく爆ぜた。
 「何が?」
 動悸を誤魔化そうと、咄嗟に切り返したけれど、逆効果で。
 「水原さんが、こんなに甘えてくれるなんて、貴重です」
 想の見惚れるような満面の笑みを、至近距離で見せ付けられた。



 「誕生日おめでとうございます、水原さん」
 「ん……あ、ありがと……」



 心臓がいくつあっても足りないくらいに胸が苦しい。
 でも、それは不快なものではなくて。
 こんな想いも全部、私への誕生日プレゼントだとすれば。
 ……悪くない、かな。


 面映くなる顔を持て余しながら、可奈はそっと、顔を横に向けた。
PR
拍手(現在3種ランダム)web拍手

この記事にコメントする

お名前
タイトル
メール
URL
コメント
絵文字
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード

 


燈可奈アンソロ企画始めました!ご参加お願いしますっ!(切実)
SSはメインページから
気が向いたときにしか収納されない本サイト(爆)

このサイトについて

Q.E.D.証明終了想可奈無節操二次創作何でも置き場です。
拍手は各記事。拍手レスはコメントにて返させていただきます。
>>>はじめに(リンク等)
>>>通販について

Twitter

結構燈可奈絵をあげたりしてるのでお気軽にフォロミー。

貴方の還る場所(日記)