This drunkard!④
一 気 に 上 げ る 能 力 が 欲 し い で す 。
どんどん長くなっちゃうので、また小分けです……
これで、酔っぱらい部分は終わりで次で締めなんで、正真正銘、次で終わります。
……年内に終わるよね?(汗
*****
可奈は抱きしめられた状態で、必死にもがくが抜け出せない。
こんなの余裕で振りほどける!と思っていたが、意外にもびくともしなかった。
「問題は、大アリです。水原さんは、今酔っていて正常な判断が出来てない状態です」
熱い吐息を耳元で感じ、ぞくりとして身を縮める。不快な感じの寒気ではない。これは、気持ちがいい方だ。
流石にそれくらいは判るぞ、と可奈は苦々しく呻いた。
……あぁ、ヤバイなぁ。
僅かに残った冷静な部分が嘆息する。
本能で動いてるなぁ、というのは認識していた。普段、節度ある接触くらいはしているけれど、ここまで距離が無いのは初めてだ。
抱き締める、というより馬鹿な行動を起こそうとしている自分を押さえつけているのだろうけれど、それでも、単純に嬉しく感じる。胸が苦しいくらいに切ない感覚が、身体を満たす。
欲求不満にも程がある。
燈馬君とは、そんな関係じゃないのに。
冷静な自分と本能で動く自分の意識が分離しているようで、心の声が聞こえても、それに反応する気も起きない。
「正常な判断って、何よ」
お返しとばかりに、耳元にわざと囁く。
くすぐったそうに身を捩る隙をつき、腕を解いて手を押さえた。
抱き締められると難儀だからとそのまま手指を絡めて向かい合うと、想は困ったような、怒ったような、呆れたような、複雑な表情を浮かべた。
「少なくとも、いつもの水原さんならキスをせがんできたりしません」
溜息をつきながら、目を伏せて呟く仕草に胸がどきんと高鳴った。
上気した頬が、余計に雰囲気を助長している。
……こんなに、燈馬君って色っぽかったっけ?
組んでいる手は、力が抜けている。見とれて、可奈も脱力しているのが原因か。
我に返って再度見据える。
だが、もう胸に芽生えた衝動は抑えきれなかった。
「……もー、私がいいって言ってんだからキスさせろよ!」
言って、不意を突いたのをいいことに無理矢理、口付けた。
触れた先は、熱い。
思っていたより柔らかくて、湿っていることまで判るのか、と些か驚く。唇って以外と感覚が鋭いんだな、と暢気にも思う。
胸を苛む鼓動がうっとおしいくらい、煩い。ずっと触れていたいのに、このままでは死んでしまうのではないかというくらい、胸が苦しくなる。心と身体が、うらはらで制御不能だ。
どうしようもなく、仕方なしに、諦めて。
そっと唇を離し、目を開ける。
呆れた顔でこちらを見つめる想の顔が間近だ。
「……これで気が済みましたか?」
気が済むわけは、ない。
与えられる熱が心地よくて、夢みたいで。
触れるだけのキスでこんななら。
「さっき見たみたいなのって、どうやってすんの?」
あんな、情熱的な、お互いを食べ尽くすようなキスなら、どうなのだろう。
好奇心が、頭を擡げた。
「……それやったらもうノーカウント、なんて言えなくなりますよ?」
呆れた顔から、一転。
想は真面目な顔で言う。
判ってるよ、そんくらい。
ままごとやってる子供じゃないんだし。
言う代わりに、再度、口付けた。
しかし経験がない上、気恥ずかしくて映像もよく見ていなかった為、見よう見まねでも難しく、上手く出来ない。
「お子様」
離した隙に、ぼそりと呟かれた。
じゃあ、燈馬君なら出来んのかよ!と、言う間もなく。
今度は想から口付けた。
噛みつかれるような勢いで、口内を侵される。
言いかけた言葉は、そのまま腹に落ちる。
意識が徐々に染まっていく。
心地よい、暗い、紅色。
堕ちて、堕ちて、そのまま。
ゆらゆら揺れる、闇に飲まれた。
どんどん長くなっちゃうので、また小分けです……
これで、酔っぱらい部分は終わりで次で締めなんで、正真正銘、次で終わります。
……年内に終わるよね?(汗
*****
可奈は抱きしめられた状態で、必死にもがくが抜け出せない。
こんなの余裕で振りほどける!と思っていたが、意外にもびくともしなかった。
「問題は、大アリです。水原さんは、今酔っていて正常な判断が出来てない状態です」
熱い吐息を耳元で感じ、ぞくりとして身を縮める。不快な感じの寒気ではない。これは、気持ちがいい方だ。
流石にそれくらいは判るぞ、と可奈は苦々しく呻いた。
……あぁ、ヤバイなぁ。
僅かに残った冷静な部分が嘆息する。
本能で動いてるなぁ、というのは認識していた。普段、節度ある接触くらいはしているけれど、ここまで距離が無いのは初めてだ。
抱き締める、というより馬鹿な行動を起こそうとしている自分を押さえつけているのだろうけれど、それでも、単純に嬉しく感じる。胸が苦しいくらいに切ない感覚が、身体を満たす。
欲求不満にも程がある。
燈馬君とは、そんな関係じゃないのに。
冷静な自分と本能で動く自分の意識が分離しているようで、心の声が聞こえても、それに反応する気も起きない。
「正常な判断って、何よ」
お返しとばかりに、耳元にわざと囁く。
くすぐったそうに身を捩る隙をつき、腕を解いて手を押さえた。
抱き締められると難儀だからとそのまま手指を絡めて向かい合うと、想は困ったような、怒ったような、呆れたような、複雑な表情を浮かべた。
「少なくとも、いつもの水原さんならキスをせがんできたりしません」
溜息をつきながら、目を伏せて呟く仕草に胸がどきんと高鳴った。
上気した頬が、余計に雰囲気を助長している。
……こんなに、燈馬君って色っぽかったっけ?
組んでいる手は、力が抜けている。見とれて、可奈も脱力しているのが原因か。
我に返って再度見据える。
だが、もう胸に芽生えた衝動は抑えきれなかった。
「……もー、私がいいって言ってんだからキスさせろよ!」
言って、不意を突いたのをいいことに無理矢理、口付けた。
触れた先は、熱い。
思っていたより柔らかくて、湿っていることまで判るのか、と些か驚く。唇って以外と感覚が鋭いんだな、と暢気にも思う。
胸を苛む鼓動がうっとおしいくらい、煩い。ずっと触れていたいのに、このままでは死んでしまうのではないかというくらい、胸が苦しくなる。心と身体が、うらはらで制御不能だ。
どうしようもなく、仕方なしに、諦めて。
そっと唇を離し、目を開ける。
呆れた顔でこちらを見つめる想の顔が間近だ。
「……これで気が済みましたか?」
気が済むわけは、ない。
与えられる熱が心地よくて、夢みたいで。
触れるだけのキスでこんななら。
「さっき見たみたいなのって、どうやってすんの?」
あんな、情熱的な、お互いを食べ尽くすようなキスなら、どうなのだろう。
好奇心が、頭を擡げた。
「……それやったらもうノーカウント、なんて言えなくなりますよ?」
呆れた顔から、一転。
想は真面目な顔で言う。
判ってるよ、そんくらい。
ままごとやってる子供じゃないんだし。
言う代わりに、再度、口付けた。
しかし経験がない上、気恥ずかしくて映像もよく見ていなかった為、見よう見まねでも難しく、上手く出来ない。
「お子様」
離した隙に、ぼそりと呟かれた。
じゃあ、燈馬君なら出来んのかよ!と、言う間もなく。
今度は想から口付けた。
噛みつかれるような勢いで、口内を侵される。
言いかけた言葉は、そのまま腹に落ちる。
意識が徐々に染まっていく。
心地よい、暗い、紅色。
堕ちて、堕ちて、そのまま。
ゆらゆら揺れる、闇に飲まれた。
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