This drunkard!①
この酔っぱらい!という意味だそうです。
前回上げた漫画をpixivにあげるときに適当につけた題名なんですが……
とりあえず、タイトル的にはこっちのほうがより合いそうな感じなんで流用……(超適当)
プロットはまとまってるので、あとはやる気と根性と文章ノリがあえば数日中にはなんとか完成……できるといいなぁ、といった感じです。
自分はあんまり飲めないというに、まだまだ酔っぱらい妄想が続いています……
とりあえず書き終わればちょっとは落ち着いてくれるかなぁ、と期待しつつ。
傾き境界明滅とあんまり性的表現はなかった感じでお付き合い前提話が続きましたが、久しぶりにそもそもの■的なの全開フルスロットルな感じなんで(主に冒頭がちょっとアレな感じ)苦手な方はご注意を。
差し込まれた舌が、ひどく甘い。
酒の味でも残ってるんだろうか。
もっと味わっていたくて、慣れないながらに絡めてみると、身体ごと想に引き寄せられ、息をつくことも難しいくらい、深く深く貪られた。
繋がる口の端から、つ、と滴が溢れて落ちる。
あぁ、勿体無い。
こんなに舌が甘ったるいんだから、きっと美味しいに違いないのに。
そう思い、咥内に残ったものを、こくりと飲み込む。
飲み込む拍子に、吐息が漏れる。
鼻から抜けるような甘い声を立てて。
声を出した本人のくせに、可奈はその音にぶるり、と身震いをした。
意識はもう、随分前からふわりふわりと漂っている。
ただ、目の前の甘い唇に虜になっていることは理解できた。
こんなに甘くて、口にするだけで胸がぎゅっと締め付けられる、身体ごと引きずり込まれるようなものが存在するなんて、今まで微塵も考えたことは無かった。
想の方は十分堪能したのか、そっと唇を離される。
瞼を開けると、うっとりと可奈を見つめる視線とぶつかった。
きっと同じ様な目で私も燈馬君を見てるだろうと直感で思う。私が美味しいと思ったんだから、きっと燈馬君も同じに違いない。
離れた唇にはまだ熱が残り、先程までお互いに侵しあった咥内には余韻が残る。
「おかわり」
堪えきれず、可奈は唇を突き出す。
「おかわりだけで、いいんですか?」
その様子に想はくすりと笑い、そっとまた口付ける。
おかわり以上のものなんて、想像も出来ないけれど。
もっと甘美なものなんだろうか。
与えられるまま甘い滴を飲み干しながら、ぼんやりと遠い意識で考えた。
「…………やばい」
寝落ちをしてしまった、と飛び起きて。
自分の置かれた状況を理解するまで、約数十秒。
頭は痛い、身体はだるい、腰は重くて鈍痛を持つ。
上体を起こすとはらりと布団がはだけ、自分が一糸纏わぬ姿だと理解する。
傍らに目をやると、未だ夢の中の、想の寝顔。
上掛けを取られたため、もそもそと寒そうに身を縮めるその背中は、やはり衣服を纏っていない。
「…………やばい」
頭を抱えて、今度はさらに重く、同じ言葉を口にする。
要するにアレだ。
酔っぱらった勢いでやっちゃったってコトだよな。
子細にではないけれど、断片断片では思い出せる。
酔わせてやろう、と意気込んだまでは良かったものの、逆に自分が酔っぱらってしまい。
つけっぱなしにしてたテレビで流れてたドラマだか映画だかの話になって。そこからキスの話になって。
可奈から、想にキスをした。
それがきっかけで。
その後は、なし崩しに。
寒そうな背中に、奪ってしまった布団をとりあえず掛ける。可奈も鳥肌を立てているが、自分では寒さでなのか、背筋の凍る思いをしているからなのか判別できない。
とりあえず、床に散らばった衣服を集めて急いで着るべきだ、と判断する。うまく思考が働かなくても、それくらいは出来た。
「……ぅ……ん……?」
拾いながら身に纏う途中で、背後で起きる気配がする。
まだ中途半端に、下着姿だ。
さっきまで、裸で並んで眠っていたのに、それはそれ、これはこれ。酔っていたときは気にならなかったんだろうが、素面では流石に向き合えない。
可奈は踵を返すと、急いで頭から布団を被せ直した。
「……え……? ……何、何が?!」
起き抜けで現状を理解していない想は、急に布団を誰かに被せられたと驚き、払おうとするが、構わず可奈はその上から押さえ込んだ。
もぞもぞと暴れるが関係ない。
押さえつけている間に着られれば一番だが、腕は二本しかない。
とりあえずきつく巻きつけて、すぐには解けないように丸め込んだ。
「ちょっと被って待ってろ! 絶対見るなよ!!」
「え? 水原さん?」
いつもなら、聞こえるはずのない声が、布越しに届き、思わず戸惑った声を上げる。
「今、急いで服着てるから……見たら殺す」
焦っている声色で、そう言われ。
はた、と昨晩のことを思い出し。
「……はい」
抵抗するのを止めて、しばし布の向こうで待つ。
背筋はこんなにも冷たいのに、布団の中が急に蒸し熱くなる。
どんな顔をして、布団から出ればいいのか。
どうにも判断できなくて、想はぎゅ、とシーツを握り込んだ。
酒盛りをしながら、流れるままにしていたテレビに映る映画の話題になり、話的にはあんな濃厚なキスシーンはいらないよねぇ、と話題が弾み、何故だか経験の話に移行する。
小さい頃からアメリカに居るんだから一つや二つもう経験済みだよねぇ、と拗ねているんだか絡んでいるんだかよくわからない勢いで、可奈は勝手に想像し、吐露した。
「人を誰彼構わず襲ってる鬼畜のように言うのやめてくれませんか?」
いつもなら、はいはいと生返事をしつつあしらうけれど、想もこの日は珍しく深酒していた。
可奈から勝負を挑まれたのだ。
どっちが最後まで潰れないか、と。
酒がおおっぴらに飲める歳になってから数年が経ち、お互いに機会があれば寄り合って飲み、やれ、これは美味しかっただの、これはきつかったけれどと話題にする物を持参しながら話をする。
外で飲むことも度々あったが、もっぱら飲む場所は想の部屋だ。
想が拒まないのをいいことに、可奈は入り浸っているといっても過言ではない。
嫁入り前の女性が、酒を飲みに男性宅に足繁く通うのは如何なものですか?と何度も何度も想に注意をされるが、暖簾に腕押しの様子で躱し。
この機会に先に酔いつぶして、少しでも肝を冷やしてもらおうと勝負に付き合う気になったものの、思った以上に相手は手強く、気がついたら、想自身も適正酒量も過ぎていた。
辛うじて分別がつくくらいには理性は残っているけれど、深く思考をしようにもそこまでは頭が働かない。
いつもなら腹に一度仕舞い込みそこから言葉を選び出し、返答する、という作業をしているのに、今は思ったままに口をつく。
口にした言葉を反芻するのも、もうすでに面倒くさい。
「だって、挨拶感覚なんだろ?」
頬杖を付きながら、可奈は唇を尖らせる。
その顔は、もう真っ赤だ。
「人によりますよ。僕は経験ありません」
ホントに?と聞き返す可奈を横目で眺めつつ、少し霞んだ意識の手綱を正す。
朱に染まる頬、潤んだ瞳。
飲んだばかりで潤んだ唇。
見ているだけも理性がぐらぐらと揺らいでくる。
多分、アルコールが入っていなくても、同じ思いをするだろう。
だからこそ、余計に自分自身を抑えつける。
「水原さんこそ、ないんですか?」
気持ちを他のことに向けようと、会話を続ける。
何気ない言葉のやりとりだけでも、随分意識を保つのに役立つ、とは、ここ最近、酒盛りを重ねて解ってきたことだ。
ここまで深酒してからは試していないので、どこまで効果があるのかは自信はないけれど。
口にしていた液体が、驚いた拍子に一気に喉に落ちる。
焼け付くような熱さに咽るが、気持ちはそれどころではない。
「バッ……あるわけないじゃん、そんなの!」
折り返し質問されるとは思っていなかったのか頭が働いていなかったのか、可奈は問われて明らかに狼狽する。
「そうなんですか?子供の頃とかに水原警部のほっぺとかにもしたことないんですか?」
重ねて問われ、重い頭で反芻し、若干落ち着きを取り戻す。
なんだ、そういう意味で聞いたのか、と。
自分自身の発した問いに含まれてるものとは違うのか、と内心ほっとする。
が、それを表情に出したら気まずい、と本能で感じ取った。
「……えー、そういうのノーカウントなんじゃないの?」
可奈も、他愛のない会話を装う。
まだ、勝負は続いているのだ。
酔いが回るのは体調も関係あるけれど、精神面も、きっと大きい。
「じゃあ、僕の子供の頃の事だって挨拶感覚なんだからノーカウントですよね」
だから。
「じゃあ、今私が燈馬君にしたって、挨拶だからノーカウントだよな」
多分、精神面で攻めれば、勝てるかもしれない。
何故か知らないけれど、可奈は急に、そう思ったのだ。
お互いに現状、保っていられるギリギリのラインならば、どうにかして突き落とせないかと。
手段や、リスクや、諸々その他なんて、その時には全く考えが及ばなかった。
前回上げた漫画をpixivにあげるときに適当につけた題名なんですが……
とりあえず、タイトル的にはこっちのほうがより合いそうな感じなんで流用……(超適当)
プロットはまとまってるので、あとはやる気と根性と文章ノリがあえば数日中にはなんとか完成……できるといいなぁ、といった感じです。
自分はあんまり飲めないというに、まだまだ酔っぱらい妄想が続いています……
とりあえず書き終わればちょっとは落ち着いてくれるかなぁ、と期待しつつ。
傾き境界明滅とあんまり性的表現はなかった感じでお付き合い前提話が続きましたが、久しぶりにそもそもの■的なの全開フルスロットルな感じなんで(主に冒頭がちょっとアレな感じ)苦手な方はご注意を。
差し込まれた舌が、ひどく甘い。
酒の味でも残ってるんだろうか。
もっと味わっていたくて、慣れないながらに絡めてみると、身体ごと想に引き寄せられ、息をつくことも難しいくらい、深く深く貪られた。
繋がる口の端から、つ、と滴が溢れて落ちる。
あぁ、勿体無い。
こんなに舌が甘ったるいんだから、きっと美味しいに違いないのに。
そう思い、咥内に残ったものを、こくりと飲み込む。
飲み込む拍子に、吐息が漏れる。
鼻から抜けるような甘い声を立てて。
声を出した本人のくせに、可奈はその音にぶるり、と身震いをした。
意識はもう、随分前からふわりふわりと漂っている。
ただ、目の前の甘い唇に虜になっていることは理解できた。
こんなに甘くて、口にするだけで胸がぎゅっと締め付けられる、身体ごと引きずり込まれるようなものが存在するなんて、今まで微塵も考えたことは無かった。
想の方は十分堪能したのか、そっと唇を離される。
瞼を開けると、うっとりと可奈を見つめる視線とぶつかった。
きっと同じ様な目で私も燈馬君を見てるだろうと直感で思う。私が美味しいと思ったんだから、きっと燈馬君も同じに違いない。
離れた唇にはまだ熱が残り、先程までお互いに侵しあった咥内には余韻が残る。
「おかわり」
堪えきれず、可奈は唇を突き出す。
「おかわりだけで、いいんですか?」
その様子に想はくすりと笑い、そっとまた口付ける。
おかわり以上のものなんて、想像も出来ないけれど。
もっと甘美なものなんだろうか。
与えられるまま甘い滴を飲み干しながら、ぼんやりと遠い意識で考えた。
「…………やばい」
寝落ちをしてしまった、と飛び起きて。
自分の置かれた状況を理解するまで、約数十秒。
頭は痛い、身体はだるい、腰は重くて鈍痛を持つ。
上体を起こすとはらりと布団がはだけ、自分が一糸纏わぬ姿だと理解する。
傍らに目をやると、未だ夢の中の、想の寝顔。
上掛けを取られたため、もそもそと寒そうに身を縮めるその背中は、やはり衣服を纏っていない。
「…………やばい」
頭を抱えて、今度はさらに重く、同じ言葉を口にする。
要するにアレだ。
酔っぱらった勢いでやっちゃったってコトだよな。
子細にではないけれど、断片断片では思い出せる。
酔わせてやろう、と意気込んだまでは良かったものの、逆に自分が酔っぱらってしまい。
つけっぱなしにしてたテレビで流れてたドラマだか映画だかの話になって。そこからキスの話になって。
可奈から、想にキスをした。
それがきっかけで。
その後は、なし崩しに。
寒そうな背中に、奪ってしまった布団をとりあえず掛ける。可奈も鳥肌を立てているが、自分では寒さでなのか、背筋の凍る思いをしているからなのか判別できない。
とりあえず、床に散らばった衣服を集めて急いで着るべきだ、と判断する。うまく思考が働かなくても、それくらいは出来た。
「……ぅ……ん……?」
拾いながら身に纏う途中で、背後で起きる気配がする。
まだ中途半端に、下着姿だ。
さっきまで、裸で並んで眠っていたのに、それはそれ、これはこれ。酔っていたときは気にならなかったんだろうが、素面では流石に向き合えない。
可奈は踵を返すと、急いで頭から布団を被せ直した。
「……え……? ……何、何が?!」
起き抜けで現状を理解していない想は、急に布団を誰かに被せられたと驚き、払おうとするが、構わず可奈はその上から押さえ込んだ。
もぞもぞと暴れるが関係ない。
押さえつけている間に着られれば一番だが、腕は二本しかない。
とりあえずきつく巻きつけて、すぐには解けないように丸め込んだ。
「ちょっと被って待ってろ! 絶対見るなよ!!」
「え? 水原さん?」
いつもなら、聞こえるはずのない声が、布越しに届き、思わず戸惑った声を上げる。
「今、急いで服着てるから……見たら殺す」
焦っている声色で、そう言われ。
はた、と昨晩のことを思い出し。
「……はい」
抵抗するのを止めて、しばし布の向こうで待つ。
背筋はこんなにも冷たいのに、布団の中が急に蒸し熱くなる。
どんな顔をして、布団から出ればいいのか。
どうにも判断できなくて、想はぎゅ、とシーツを握り込んだ。
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「燈馬君はあれだよねー、キスとかもう散々やってんでしょ?」酒盛りをしながら、流れるままにしていたテレビに映る映画の話題になり、話的にはあんな濃厚なキスシーンはいらないよねぇ、と話題が弾み、何故だか経験の話に移行する。
小さい頃からアメリカに居るんだから一つや二つもう経験済みだよねぇ、と拗ねているんだか絡んでいるんだかよくわからない勢いで、可奈は勝手に想像し、吐露した。
「人を誰彼構わず襲ってる鬼畜のように言うのやめてくれませんか?」
いつもなら、はいはいと生返事をしつつあしらうけれど、想もこの日は珍しく深酒していた。
可奈から勝負を挑まれたのだ。
どっちが最後まで潰れないか、と。
酒がおおっぴらに飲める歳になってから数年が経ち、お互いに機会があれば寄り合って飲み、やれ、これは美味しかっただの、これはきつかったけれどと話題にする物を持参しながら話をする。
外で飲むことも度々あったが、もっぱら飲む場所は想の部屋だ。
想が拒まないのをいいことに、可奈は入り浸っているといっても過言ではない。
嫁入り前の女性が、酒を飲みに男性宅に足繁く通うのは如何なものですか?と何度も何度も想に注意をされるが、暖簾に腕押しの様子で躱し。
この機会に先に酔いつぶして、少しでも肝を冷やしてもらおうと勝負に付き合う気になったものの、思った以上に相手は手強く、気がついたら、想自身も適正酒量も過ぎていた。
辛うじて分別がつくくらいには理性は残っているけれど、深く思考をしようにもそこまでは頭が働かない。
いつもなら腹に一度仕舞い込みそこから言葉を選び出し、返答する、という作業をしているのに、今は思ったままに口をつく。
口にした言葉を反芻するのも、もうすでに面倒くさい。
「だって、挨拶感覚なんだろ?」
頬杖を付きながら、可奈は唇を尖らせる。
その顔は、もう真っ赤だ。
「人によりますよ。僕は経験ありません」
ホントに?と聞き返す可奈を横目で眺めつつ、少し霞んだ意識の手綱を正す。
朱に染まる頬、潤んだ瞳。
飲んだばかりで潤んだ唇。
見ているだけも理性がぐらぐらと揺らいでくる。
多分、アルコールが入っていなくても、同じ思いをするだろう。
だからこそ、余計に自分自身を抑えつける。
「水原さんこそ、ないんですか?」
気持ちを他のことに向けようと、会話を続ける。
何気ない言葉のやりとりだけでも、随分意識を保つのに役立つ、とは、ここ最近、酒盛りを重ねて解ってきたことだ。
ここまで深酒してからは試していないので、どこまで効果があるのかは自信はないけれど。
口にしていた液体が、驚いた拍子に一気に喉に落ちる。
焼け付くような熱さに咽るが、気持ちはそれどころではない。
「バッ……あるわけないじゃん、そんなの!」
折り返し質問されるとは思っていなかったのか頭が働いていなかったのか、可奈は問われて明らかに狼狽する。
「そうなんですか?子供の頃とかに水原警部のほっぺとかにもしたことないんですか?」
重ねて問われ、重い頭で反芻し、若干落ち着きを取り戻す。
なんだ、そういう意味で聞いたのか、と。
自分自身の発した問いに含まれてるものとは違うのか、と内心ほっとする。
が、それを表情に出したら気まずい、と本能で感じ取った。
「……えー、そういうのノーカウントなんじゃないの?」
可奈も、他愛のない会話を装う。
まだ、勝負は続いているのだ。
酔いが回るのは体調も関係あるけれど、精神面も、きっと大きい。
「じゃあ、僕の子供の頃の事だって挨拶感覚なんだからノーカウントですよね」
だから。
「じゃあ、今私が燈馬君にしたって、挨拶だからノーカウントだよな」
多分、精神面で攻めれば、勝てるかもしれない。
何故か知らないけれど、可奈は急に、そう思ったのだ。
お互いに現状、保っていられるギリギリのラインならば、どうにかして突き落とせないかと。
手段や、リスクや、諸々その他なんて、その時には全く考えが及ばなかった。
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