Sleeping Beauty
断片消化月間最後の作品です……!
これで一年以上中途半端になってた断片はあらかた片付いたはず!!
キス話ばっかりだなぁというのは、キス話妄想するの好きだけど描写とかそゆのが難しいから投げたとかそういうね!!!仕方ないですよね!!!w
『Sleeping Beauty』
唇は、蜜を湛えた赤い花のようだった。
規則正しく胸が上下に動いている。
仰向けに床に転がった可奈は、気持ち良さそうに寝息を立てている。無防備に。安心しきった様子で。
服の裾も、色素の薄い髪も、身体を中心にして広がり、ばら撒かれたまま。
西日に照らされて透き通るように綺麗なそれを、少し離れた席から眺める。
その唇は。
吸えば、甘いのだろうか?
惹き寄せられるように、傍まで近寄ってみる。きしりと床が鳴ろうとも、少しも起きる気配がない。すぐ隣に腰を下ろしても、身動ぎ一つおこさない。
ほんのり赤い、柔らかな唇に指を這わせてみる。
流石に触れられると分かるのか、くすぐったそうに顔が傾いた。綻ぶように開いた口元から、熱い吐息が零れ落ちる。
生きている、熱。
ぞくりと、背筋を何かが支配する。
急に喉の渇きが気になり、こくりと唾を飲み込んだ。
手を伸ばしたのは、ただの好奇心からだった。
そこには特別な感情はなくて。
けれど実際に触れて、呼び起こされた感情は。
それを確かめるように。
想は、そっと唇を重ねてみた。
「……普通に起こせないの?」
熱く弾む息が互いを掠めて抜けていく。
まだ睫毛も触れ合うくらいの、近い距離。
いつの間にか絡められた両腕に視界は囲われており、目前の可奈しか映らない。
まだ微睡みの中、色の燈った誘う目が物言いたげにじぃと想の瞳を見つめている。
「起こすつもりは無かったんですが……すみません」
ただ本当に甘いのか確かめるだけだった筈なのに、可奈の唇があまりにも、甘くて。
甘すぎて。後を引くように。触れるだけのキスを繰り返し。
何度も何度も重ねていれば、いくら深い眠りの淵にいる可奈でも伝わったのだろう。
甘い吐息を漏らしながらたどたどしく応え始める身体に誘われるように、次第に深くなる口づけは止めようがない。
蜜というより、まるで媚薬だ。
交わせば交わすほど、欲しくて堪らなくなる。
こうやって話すために一度離した今の唇さえ、もう口寂しくて仕方がない。
「眠り姫の王子の心境が理解出来ました」
「キスで起こす?」
「そう、その王子です」
彼もまた、いばらで覆われた薄暗い城の中で、眠り姫の唇に宿るひとひらの花弁を見たのだろう。
誘われて、手を伸ばし、そのまま。
甘い甘い、蜜を口にして。
「けれど、僕は王子にはなれませんね」
こんな甘い毒をくらって紳士然と出来る余裕なんてあるわけ無いじゃないですか。
薄く笑う燈馬につられるように可奈は微かに微笑んだ。
そして、せがむように再び瞼を閉じると、想は思うまま、請われるまま、導くように開いている可奈の唇を塞ぐように、自身の唇を押し当てた。
これで一年以上中途半端になってた断片はあらかた片付いたはず!!
キス話ばっかりだなぁというのは、キス話妄想するの好きだけど描写とかそゆのが難しいから投げたとかそういうね!!!仕方ないですよね!!!w
『Sleeping Beauty』
唇は、蜜を湛えた赤い花のようだった。
規則正しく胸が上下に動いている。
仰向けに床に転がった可奈は、気持ち良さそうに寝息を立てている。無防備に。安心しきった様子で。
服の裾も、色素の薄い髪も、身体を中心にして広がり、ばら撒かれたまま。
西日に照らされて透き通るように綺麗なそれを、少し離れた席から眺める。
その唇は。
吸えば、甘いのだろうか?
惹き寄せられるように、傍まで近寄ってみる。きしりと床が鳴ろうとも、少しも起きる気配がない。すぐ隣に腰を下ろしても、身動ぎ一つおこさない。
ほんのり赤い、柔らかな唇に指を這わせてみる。
流石に触れられると分かるのか、くすぐったそうに顔が傾いた。綻ぶように開いた口元から、熱い吐息が零れ落ちる。
生きている、熱。
ぞくりと、背筋を何かが支配する。
急に喉の渇きが気になり、こくりと唾を飲み込んだ。
手を伸ばしたのは、ただの好奇心からだった。
そこには特別な感情はなくて。
けれど実際に触れて、呼び起こされた感情は。
それを確かめるように。
想は、そっと唇を重ねてみた。
「……普通に起こせないの?」
熱く弾む息が互いを掠めて抜けていく。
まだ睫毛も触れ合うくらいの、近い距離。
いつの間にか絡められた両腕に視界は囲われており、目前の可奈しか映らない。
まだ微睡みの中、色の燈った誘う目が物言いたげにじぃと想の瞳を見つめている。
「起こすつもりは無かったんですが……すみません」
ただ本当に甘いのか確かめるだけだった筈なのに、可奈の唇があまりにも、甘くて。
甘すぎて。後を引くように。触れるだけのキスを繰り返し。
何度も何度も重ねていれば、いくら深い眠りの淵にいる可奈でも伝わったのだろう。
甘い吐息を漏らしながらたどたどしく応え始める身体に誘われるように、次第に深くなる口づけは止めようがない。
蜜というより、まるで媚薬だ。
交わせば交わすほど、欲しくて堪らなくなる。
こうやって話すために一度離した今の唇さえ、もう口寂しくて仕方がない。
「眠り姫の王子の心境が理解出来ました」
「キスで起こす?」
「そう、その王子です」
彼もまた、いばらで覆われた薄暗い城の中で、眠り姫の唇に宿るひとひらの花弁を見たのだろう。
誘われて、手を伸ばし、そのまま。
甘い甘い、蜜を口にして。
「けれど、僕は王子にはなれませんね」
こんな甘い毒をくらって紳士然と出来る余裕なんてあるわけ無いじゃないですか。
薄く笑う燈馬につられるように可奈は微かに微笑んだ。
そして、せがむように再び瞼を閉じると、想は思うまま、請われるまま、導くように開いている可奈の唇を塞ぐように、自身の唇を押し当てた。
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