massage side-bb
拍手ページの背景に使っていた絵は、昔のHDD内を漁ってたら見つけたウゴツールという動画GIF作成ソフトで一発描きをしたものでした。
すっっっっごく楽しかったです!!
元拍手用SS4編目。
ラストです。
ある意味、一番、うちのSSらしい感じですw↓
「massage side-bb」
「燈馬君、肩揉んであげようか?」
「……は?」
「どういう風の吹き回しですか?」
「別に深い意味はないよ。凝ってるんじゃないかなーって思っただけだって」
---------------------------------------------------
「じゃあ、お願いします」
少し考え、返事する。
「了解!」
右手を額に当てながら、可奈も答える。
自然、見つめあい、笑う。
可奈に肩をマッサージしてもらうのは、何回目だろうか。
最初はどんな目に遭わされるのか、と身構えていたけれど、実際、やってもらうとかなり上手い。
眼精疲労からくる頭痛や肩こりに悩まされていたけれど、可奈のお陰でここのところはずいぶんと調子がいい。
……交換条件で持ち込まれる問題の類は、違う種類の頭痛を呼ぶのだけれども。
「いつもながら思いますけど……いい気持ちです」
暖かい手が触れているだけでも、心地いい。
ぐっぐっと押される感覚が、それを増幅する。
流石に、何度もやっていると凝りやすいところが解ってきたのか、長く続けて欲しい所は丹念に解してくれる。
そりゃ気持ちが篭ってますから、とにこにこ笑いながら手を動かす可奈の気配を背中で感じながら、想はふぅ、と思わず吐息を零す。
「燈馬君、疲れてるんじゃない?すごく凝ってるけど」
「ここの所、ずっとパソコン画面を眺めてますからね……」
仕事が立て込んでしまい、ついつい夜通しパソコンや書類と格闘していたことを思い出す。なんとか終わってやっと一息ついてはいるけれど、体はまだまだ休息を欲しているようだ。
「でも、水原さんがこうやって肩揉みしてくれるんですから疲れるのも悪くないですね」
本当に、言葉通りに、回復していく気がする。
身体的なことばかりでなく、精神的にも。
それは、多分、この暖かさのせいなんだろう。
「遠慮なく、気持ちいい声を上げてよいのだぞ」
抑揚の大きい芝居がかった声で彼女が言った。
気持ちいい声、とはどんなものか。考えを廻らせて、苦虫を噛んだ顔になる。
「男が上げたって面白くもなんともないじゃないですか」
「私は面白いんだけどな~」
ちぇ、と明らかに聞こえる舌打ちを打ちつつ、しかし手は止めずに可奈は答えた。
実際には、声を上げそうになったことはあったけれど。
……そんなの、恥ずかしくて聞かせられないというか、男性としてそれはどうかと思うというか。
「疲れを労わってくれるなら、僕が面白いことをしてもらえると嬉しいんですけど」
まだ諦めていない可奈から話題を変えようと、ちょっと提案をしてみる。
今度は可奈寄りに面白いことではなく、想寄りだ。
「たとえば?」
「この肩揉みですけど、これじゃ僕、水原さんが見えませんよね? 正面に移動して頂けると、とっても面白いです」
「えーやだよ、やりづらい」
前後逆だと、力の入れ加減が違ってしまう。思ったようにマッサージできないじゃないか。
めんどくさいなぁ、と表情が濁るのが背中越しでも解る。
じつに可奈らしいな、と思わず笑みが零れる。
「体勢変わると上手く出来ないんですか?」
あえて、挑発してみる。
挑発されると反発するのが、この少女の性質だ。
「……やるわよ」
煽るように言われると、ついつい挑んでしまうのが、悪い癖だ。
とはいえ、多分できないわけではない。
やるだけやってみるか、と手を止める。
回り込み、立ってみて気がついた。
これはやばい。
いろいろアウトだろう。
想の肩を触るには座ってる膝と膝を割って間に立たないと出来ないし、体制的に、自分の胸が想の目の前になる。
手を広げてにこにこ待ってる想が、かなり怖い。
「……これさ、絵面的にかなりギリギリだよね」
一応、解っててやってるのか訊いてみる。
「怖気づきました?」
微笑んだまま、答える。
絶対、ワザとだ。
「まさか、……やってやるわよ」
我慢比べになりそうだな、と覚悟しつつ、いざ、戦場へと足を運んだ。
すっっっっごく楽しかったです!!
元拍手用SS4編目。
ラストです。
ある意味、一番、うちのSSらしい感じですw↓
「massage side-bb」
「燈馬君、肩揉んであげようか?」
「……は?」
「どういう風の吹き回しですか?」
「別に深い意味はないよ。凝ってるんじゃないかなーって思っただけだって」
---------------------------------------------------
「じゃあ、お願いします」
少し考え、返事する。
「了解!」
右手を額に当てながら、可奈も答える。
自然、見つめあい、笑う。
可奈に肩をマッサージしてもらうのは、何回目だろうか。
最初はどんな目に遭わされるのか、と身構えていたけれど、実際、やってもらうとかなり上手い。
眼精疲労からくる頭痛や肩こりに悩まされていたけれど、可奈のお陰でここのところはずいぶんと調子がいい。
……交換条件で持ち込まれる問題の類は、違う種類の頭痛を呼ぶのだけれども。
「いつもながら思いますけど……いい気持ちです」
暖かい手が触れているだけでも、心地いい。
ぐっぐっと押される感覚が、それを増幅する。
流石に、何度もやっていると凝りやすいところが解ってきたのか、長く続けて欲しい所は丹念に解してくれる。
そりゃ気持ちが篭ってますから、とにこにこ笑いながら手を動かす可奈の気配を背中で感じながら、想はふぅ、と思わず吐息を零す。
「燈馬君、疲れてるんじゃない?すごく凝ってるけど」
「ここの所、ずっとパソコン画面を眺めてますからね……」
仕事が立て込んでしまい、ついつい夜通しパソコンや書類と格闘していたことを思い出す。なんとか終わってやっと一息ついてはいるけれど、体はまだまだ休息を欲しているようだ。
「でも、水原さんがこうやって肩揉みしてくれるんですから疲れるのも悪くないですね」
本当に、言葉通りに、回復していく気がする。
身体的なことばかりでなく、精神的にも。
それは、多分、この暖かさのせいなんだろう。
「遠慮なく、気持ちいい声を上げてよいのだぞ」
抑揚の大きい芝居がかった声で彼女が言った。
気持ちいい声、とはどんなものか。考えを廻らせて、苦虫を噛んだ顔になる。
「男が上げたって面白くもなんともないじゃないですか」
「私は面白いんだけどな~」
ちぇ、と明らかに聞こえる舌打ちを打ちつつ、しかし手は止めずに可奈は答えた。
実際には、声を上げそうになったことはあったけれど。
……そんなの、恥ずかしくて聞かせられないというか、男性としてそれはどうかと思うというか。
「疲れを労わってくれるなら、僕が面白いことをしてもらえると嬉しいんですけど」
まだ諦めていない可奈から話題を変えようと、ちょっと提案をしてみる。
今度は可奈寄りに面白いことではなく、想寄りだ。
「たとえば?」
「この肩揉みですけど、これじゃ僕、水原さんが見えませんよね? 正面に移動して頂けると、とっても面白いです」
「えーやだよ、やりづらい」
前後逆だと、力の入れ加減が違ってしまう。思ったようにマッサージできないじゃないか。
めんどくさいなぁ、と表情が濁るのが背中越しでも解る。
じつに可奈らしいな、と思わず笑みが零れる。
「体勢変わると上手く出来ないんですか?」
あえて、挑発してみる。
挑発されると反発するのが、この少女の性質だ。
「……やるわよ」
煽るように言われると、ついつい挑んでしまうのが、悪い癖だ。
とはいえ、多分できないわけではない。
やるだけやってみるか、と手を止める。
回り込み、立ってみて気がついた。
これはやばい。
いろいろアウトだろう。
想の肩を触るには座ってる膝と膝を割って間に立たないと出来ないし、体制的に、自分の胸が想の目の前になる。
手を広げてにこにこ待ってる想が、かなり怖い。
「……これさ、絵面的にかなりギリギリだよね」
一応、解っててやってるのか訊いてみる。
「怖気づきました?」
微笑んだまま、答える。
絶対、ワザとだ。
「まさか、……やってやるわよ」
我慢比べになりそうだな、と覚悟しつつ、いざ、戦場へと足を運んだ。
■どちらも譲る気がない感じだけど最終的には可奈ちゃん負け確定な燈可奈でした■
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