My dear,
50巻「観測」でまず妄想してしまったのは燈可奈前提ではありますがサリーちゃんというね……orz
そんなこんなでアウトプットはしておきたいので独白風。漫画読んでないと意味不明な走り書きではありますが。
激しくネタバレ注意
↓
親愛なるソウ・トウマ様。
私は、あなたのことが好きでした。
初めてあなたに出会った日。
私が土管に隠れて、あなたが引っ張り出してくれた日。
私はあなたに恋をした。
多分、一目惚れでした。
その後に偶然再会をして、名前を知って。
私語なんてなく用件だけでの会話だけれど、言葉を交わして。
それから、日に日に自分の中で気持ちが大きくなった。
おかしいですよね。
普段会ったり会話をしたりしていないのに、どんどんどんどん、好きの気持ちが大きくなった。
ソウ・トウマ。
数理のトップで私と同い年。
尋ねて回らなくても、あなたのことは色々耳に入ってくる。
ソウがどうした、ソウがああした。
そういうあなたの武勇伝を聞きながら、私は自分のことのように優越感に浸るのだ。
私が事を成したわけでも無いのに。
どうしようもなく、嬉しくなるのだ。
私は、たまにあなたをキャンパスで見かけるだけで幸せだった。
気持ちを伝えようとは思わなかった。
話しかけようとも思わなかった。
だってこれは私の独りよがりの気持ちで。
勝手にあなたのことを好きになっただけで。
どうこうしようという気持ちは無かった。
ただ、あの日。
今後の進路で両親と話をしなくてはいけなかったあの日。
どうしても、どうしても勇気が欲しくて。
あなたに声をかけた。
“そんな訳のわからないことをやるより世の中に役立つことをしようと思わんのか?”
あのときに二人で笑い飛ばした私が鳥に当てていた言葉は、その日私が両親から言われるだろう言葉。
あなたが笑ってくれて。
私も、笑えて。
私はあの日、またあなたに助けて貰ったの。
親愛なるソウ・トウマ様。
私は、あなたのことが好きでした。
あれから数年経って、私は私の出来る可能性を信じて仕事に就いた。
父の反対もあったけれど、なんとか独立し、頑張っていた。
些細なトラブルはなんとかその都度乗り越えて来られたし、幸いにして今までは深刻な物は無かった。
けれど、今回はどうしようも無くて。
あなたに頼ろうと思ったの。
会社の存続の危機だし、本当にもうどうしようもなくて。
……もし問題が解決しなくとも、私はあなたに会えれば救われる、そういう気持ちもあった。
卒業してからの足取りは追っていなかった。
あなたと仲が良かったシドを頼り、なんとかあなたとコンタクトを取れた。
……久しぶりに聞いた、あなたの声。
電話越しだけれど、とても嬉しかった。
あなたは、快く私の相談を受けてくれて、こちらに出向いてくれると言ってくれた。
──あなたに、会える。
本当に、会社のことで深刻に悩んでいる最中なのに。
まるでこの問題が口実のように。
私は舞い上がってしまった。
こんな事を考えてはいけないのに。
どうしようもなく。
こんなにも、わたしはソウの事が好きだったのかと、自分自身がびっくりするくらいに。
だから。
あなたの隣に、可奈さんが立っているのを見て、心臓が止まるかと思った。
あなたはみんなに優しくて、請われれば二つ返事で了承してくれる。
だから、錯覚していたのだ。
あなたは、誰のものにもならないと。
だから、だからなんだ。
私はあなたを見ているだけで幸せだったのは。
誰か一人のものになるなんて、想像も想定もしたこと無かった。
可奈さんは、普通の女の子だった。
私と違って、特殊な知識を持ち合わせたり、特殊な家庭事情などない、年相応の。
思ったことをすぐ口にして、屈託の無い顔で笑う。
責任も、それに付随する苦労も、何もかもを知らない、女の子。
正直、私は苦手なタイプだと思った。
『いいじゃない、迷惑かけちゃえば』
なんて、とてもじゃないけれど私は思えない。
どうしてソウはこの子を選んだんだろう?と思った。
だって。
ソウは頼られたら最後まで投げ出さない。
感性が違いすぎるもの。
盗み聞きされて手伝うって怒られたのもそう。
どうしても、どうしても理解が出来なかった。
解ったのは、あなたが私に対して、こう言ってくれた時だった。
『サリー、後ろを見て。鳥が飛んでる。翼は動かさずに、風に乗って自由に飛んでる。……きっと最初に羽ばたくのをやめたときは勇気が必要だっただろうね。』
──ソウにとっての「風」は、可奈さんだ。
私が知っているソウは、請われれば誰にでも手をさしのべる。
けれど、必要以上に踏み込もうとはしなかった。
自分の領分と相手の領分を弁えて、それを越えようとはしなかった。
可奈さんは、境界線なんか気にせずに踏み込む人だ。
きっと、私にしたようにソウに対してもそうだったに違いない。
そうやって可奈さんは、「風」を生み出す。
ソウはきっと、その「風」に乗って自由に飛んでいるのだ。
ああ。
もう、勝ち目なんて無い。
「風を信じるのね」
ぽつりと呟いた自分の言葉が腹に落ちる。
私が羽ばたくのを止めても、私を受け止めてくれる「風」はソウではない。
羽を止める勇気を与えてくれるのはソウだけれど、空を舞うための「風」は、自分自身で見つけなくてはいけない。
いえ、本当は私が気付かないだけで、本当は吹いているのかもしれない。
私自身が気付かないだけで、可奈さんのように、わたしを心配して、手伝おうとして、支えてくれようとする、私のための「風」が。
きっと勇気をだして羽を止めれば、見たことも無いすばらしい景色が待っているのだろう。
ソウはそれを手にした。
……だから、やすやすと、境界線を越えて手を差し伸べてくれるのだ。
私も、その景色が見たいと思った。
『いいじゃない、迷惑かけちゃえば』
そう言える強さが羨ましかった。
『手伝うって言ってるでしょ?! 遠慮しなくていいってば!!』
私は嫉妬をしてしまい、意識してないところで冷たく当たっていたかもしれないのに、泣いてソウにすがりついていた私に対して、手伝うと強く言ってくれた優しさが羨ましかった。
『ホントに幽霊そっくり!』
初歩の知識すらないことで柔軟に発想できて、それを臆さず言える勇気が羨ましかった。
『大丈夫!私がいるから!』
根拠の無い自信と楽観さと、色々。
可奈さんは、私や、多分、ソウも持ち合わせていない素敵なものを沢山持っている。
……可奈さんだから、きっとソウは羽ばたくのを止める勇気を持てたし、安心して風に乗っていられるのだろう。
親愛なるソウ・トウマ様。
私は、あなたのことが好きでした。
昔、
土管から助けてくれて、ありがとう。
あのとき、私はあなたに恋をしました。
不安な私を助けてくれて、ありがとう。
ずっと、あなたに恋をしていました。
飛び回る勇気をくれて、ありがとう。
もう、気持ちを伝えることはないけれど。
ありがとう。
さよなら。
そんなこんなでアウトプットはしておきたいので独白風。漫画読んでないと意味不明な走り書きではありますが。
激しくネタバレ注意
↓
親愛なるソウ・トウマ様。
私は、あなたのことが好きでした。
初めてあなたに出会った日。
私が土管に隠れて、あなたが引っ張り出してくれた日。
私はあなたに恋をした。
多分、一目惚れでした。
その後に偶然再会をして、名前を知って。
私語なんてなく用件だけでの会話だけれど、言葉を交わして。
それから、日に日に自分の中で気持ちが大きくなった。
おかしいですよね。
普段会ったり会話をしたりしていないのに、どんどんどんどん、好きの気持ちが大きくなった。
ソウ・トウマ。
数理のトップで私と同い年。
尋ねて回らなくても、あなたのことは色々耳に入ってくる。
ソウがどうした、ソウがああした。
そういうあなたの武勇伝を聞きながら、私は自分のことのように優越感に浸るのだ。
私が事を成したわけでも無いのに。
どうしようもなく、嬉しくなるのだ。
私は、たまにあなたをキャンパスで見かけるだけで幸せだった。
気持ちを伝えようとは思わなかった。
話しかけようとも思わなかった。
だってこれは私の独りよがりの気持ちで。
勝手にあなたのことを好きになっただけで。
どうこうしようという気持ちは無かった。
ただ、あの日。
今後の進路で両親と話をしなくてはいけなかったあの日。
どうしても、どうしても勇気が欲しくて。
あなたに声をかけた。
“そんな訳のわからないことをやるより世の中に役立つことをしようと思わんのか?”
あのときに二人で笑い飛ばした私が鳥に当てていた言葉は、その日私が両親から言われるだろう言葉。
あなたが笑ってくれて。
私も、笑えて。
私はあの日、またあなたに助けて貰ったの。
親愛なるソウ・トウマ様。
私は、あなたのことが好きでした。
あれから数年経って、私は私の出来る可能性を信じて仕事に就いた。
父の反対もあったけれど、なんとか独立し、頑張っていた。
些細なトラブルはなんとかその都度乗り越えて来られたし、幸いにして今までは深刻な物は無かった。
けれど、今回はどうしようも無くて。
あなたに頼ろうと思ったの。
会社の存続の危機だし、本当にもうどうしようもなくて。
……もし問題が解決しなくとも、私はあなたに会えれば救われる、そういう気持ちもあった。
卒業してからの足取りは追っていなかった。
あなたと仲が良かったシドを頼り、なんとかあなたとコンタクトを取れた。
……久しぶりに聞いた、あなたの声。
電話越しだけれど、とても嬉しかった。
あなたは、快く私の相談を受けてくれて、こちらに出向いてくれると言ってくれた。
──あなたに、会える。
本当に、会社のことで深刻に悩んでいる最中なのに。
まるでこの問題が口実のように。
私は舞い上がってしまった。
こんな事を考えてはいけないのに。
どうしようもなく。
こんなにも、わたしはソウの事が好きだったのかと、自分自身がびっくりするくらいに。
だから。
あなたの隣に、可奈さんが立っているのを見て、心臓が止まるかと思った。
あなたはみんなに優しくて、請われれば二つ返事で了承してくれる。
だから、錯覚していたのだ。
あなたは、誰のものにもならないと。
だから、だからなんだ。
私はあなたを見ているだけで幸せだったのは。
誰か一人のものになるなんて、想像も想定もしたこと無かった。
可奈さんは、普通の女の子だった。
私と違って、特殊な知識を持ち合わせたり、特殊な家庭事情などない、年相応の。
思ったことをすぐ口にして、屈託の無い顔で笑う。
責任も、それに付随する苦労も、何もかもを知らない、女の子。
正直、私は苦手なタイプだと思った。
『いいじゃない、迷惑かけちゃえば』
なんて、とてもじゃないけれど私は思えない。
どうしてソウはこの子を選んだんだろう?と思った。
だって。
ソウは頼られたら最後まで投げ出さない。
感性が違いすぎるもの。
盗み聞きされて手伝うって怒られたのもそう。
どうしても、どうしても理解が出来なかった。
解ったのは、あなたが私に対して、こう言ってくれた時だった。
『サリー、後ろを見て。鳥が飛んでる。翼は動かさずに、風に乗って自由に飛んでる。……きっと最初に羽ばたくのをやめたときは勇気が必要だっただろうね。』
──ソウにとっての「風」は、可奈さんだ。
私が知っているソウは、請われれば誰にでも手をさしのべる。
けれど、必要以上に踏み込もうとはしなかった。
自分の領分と相手の領分を弁えて、それを越えようとはしなかった。
可奈さんは、境界線なんか気にせずに踏み込む人だ。
きっと、私にしたようにソウに対してもそうだったに違いない。
そうやって可奈さんは、「風」を生み出す。
ソウはきっと、その「風」に乗って自由に飛んでいるのだ。
ああ。
もう、勝ち目なんて無い。
「風を信じるのね」
ぽつりと呟いた自分の言葉が腹に落ちる。
私が羽ばたくのを止めても、私を受け止めてくれる「風」はソウではない。
羽を止める勇気を与えてくれるのはソウだけれど、空を舞うための「風」は、自分自身で見つけなくてはいけない。
いえ、本当は私が気付かないだけで、本当は吹いているのかもしれない。
私自身が気付かないだけで、可奈さんのように、わたしを心配して、手伝おうとして、支えてくれようとする、私のための「風」が。
きっと勇気をだして羽を止めれば、見たことも無いすばらしい景色が待っているのだろう。
ソウはそれを手にした。
……だから、やすやすと、境界線を越えて手を差し伸べてくれるのだ。
私も、その景色が見たいと思った。
『いいじゃない、迷惑かけちゃえば』
そう言える強さが羨ましかった。
『手伝うって言ってるでしょ?! 遠慮しなくていいってば!!』
私は嫉妬をしてしまい、意識してないところで冷たく当たっていたかもしれないのに、泣いてソウにすがりついていた私に対して、手伝うと強く言ってくれた優しさが羨ましかった。
『ホントに幽霊そっくり!』
初歩の知識すらないことで柔軟に発想できて、それを臆さず言える勇気が羨ましかった。
『大丈夫!私がいるから!』
根拠の無い自信と楽観さと、色々。
可奈さんは、私や、多分、ソウも持ち合わせていない素敵なものを沢山持っている。
……可奈さんだから、きっとソウは羽ばたくのを止める勇気を持てたし、安心して風に乗っていられるのだろう。
親愛なるソウ・トウマ様。
私は、あなたのことが好きでした。
昔、
土管から助けてくれて、ありがとう。
あのとき、私はあなたに恋をしました。
不安な私を助けてくれて、ありがとう。
ずっと、あなたに恋をしていました。
飛び回る勇気をくれて、ありがとう。
もう、気持ちを伝えることはないけれど。
ありがとう。
さよなら。
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